愛知

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京薬会愛知県支部総会 開催報告

 令和7年11月30日午前11時より、本年も愛知県支部総会を開催、場所は例年通り名古屋駅近くの名鉄グランドホテル。名古屋駅地区再開計画のため、この場所での総会は本年が最後となる。京薬会本部からは神川幹事に御臨席賜ることができた。愛知県支部からは11名の卒業生の先生方、加えてふるさと実習をされた現役の5年性の学生1名が御参加くださった。昭和53年卒の大脇弘之先生により開会の辞が述べられ、物故者への黙祷、続いて昭和48年卒の渡邊萬里支部長からのご挨拶。次に御来賓の神川幹事からご挨拶をいただいた。総会では決算と予算ならびに事業報告と事業計画の報告・承認がなされた。SNSによる繋がりも新たに構築され、今後益々、若い支部会員の参加が期待され、愛知県支部での活動が深化していくことが望まれる。京薬会本部では在学中から生涯に亘って豊かな人生のためのキャリア向上を目指せるようにと、同窓会ネットワークとして“京薬会リンク”が構築されており、様々なルートで支部会員が連携することで益々の地位向上がなされることが期待される。また長年支部長として愛知県支部を牽引してくださった渡邊支部長は今期で勇退され、大脇弘之先生に支部長ならびに評議員交代することが了承された。
 続いて神川幹事から「京都薬科大学と京薬会の活動」に関してご講演。創立141年を迎えた京都薬科大学は150周年を目指して愛学躬行の建学の理念に基づき前進していること、卒業生の進路も国公立大学に似ており、企業等、各方面にもバランスよく就職していることが示された。またいわゆるストレート合格率も高い国家試験合格率や、特待生授業料免除や成績優秀者奨学金等の学業奨励型制度の紹介もなされた。新校舎である飛翔館の概要もお示しいただき来年の完成が期待される。京薬会は82周年を迎え、現在北海道から沖縄に33支部が活動中、21000名を超える会員がいることが示された。千里同風・万里同心のスローガンのもとで様々な取り組みがなされていることが紹介された。同窓会ネットワークである“京薬会リンク”の構築がなされたこと、また会員が長期にわたって「活用したい」、「協力したい」と納得できる同窓会の在り方:“京薬会ビジョン”が構築。会員ファーストの前提の下で、会員の資質向上と支援を目指したネットワークの構築と安定運営、会員の親睦を図るとともに京薬会の持続的な体制を作り上げていくとのことだった。大学との連携と協力をさらに強化、連絡協議の場を設置し、京薬会と大学と各支部がスクラムを組めれば2万人の会員の力がさらに強まることが期待されると熱く語られた。ふるさと実習への非常勤特命教員の件も今回改めて紹介され、今後も支部へ協力の要請がなされた。
 本年は支部会員2名からご講演いただけた。最初に中部労災病院等、臨床現場で活躍されてきた昭和53年卒の長谷川功先生から「薬剤師の腎機能考慮した薬剤適正使用への貢献」のタイトルでの講演いただいた。降圧療法、脂質管理の際の具体的な注意点等々、具体的な薬剤を挙げての各種事例の紹介もあり、翌日からの現場での業務に活かせる盛りだくさんのご講義だった。薬剤師として、中毒性副作用の発現を未然に防ぐ、服薬コンプライアンスを向上させることで腎疾患進行を抑制、腎疾患の知識や薬剤服用意義の理解向上、腎機能を考慮した薬物投与設計への参加が必要と締めくくられた。
次に金城学院大学薬学部の大嶋耐之教授からのご講演、ホットな話題でもある「OTC類似薬」について私見を踏まえながらとご教授いただいた。1983年以降に医療用医薬品からOTC医薬品に転用されたスイッチOTC、以前はOTC化まで一定の期間がかかっていたものの、近年様々な制度が順次変更されたことから、今後多くの医薬品がますます短時間で次々OTCとして販売されるものと思われるとのこと。現政権が目指す“OTC類似薬”の薬剤費自己負担等に関してもお話しいただき、現状ならびに今後の問題点が示された。
 続いての懇親会では大脇先生から乾杯の御発声、新たに参加してくださった先生方や学生さんからの自己紹介や近況報告もあり、様々な年代の参加者らが終始和やかな雰囲気の中で和気あいあいと親睦を深め情報交換をすることができた。ふるさと実習についても熱い意見交換がなされる中、会話も尽きない状況ではあったが閉会の時間となった。
 懇親会終了後には参加者揃っての記念撮影が行われた。
 来年は新支部長、新会場での総会となる予定、ますます多くの支部会員の総会参加が望まれる。
 
(平成4年卒 林哲也記)